昨日降った雪はもうほとんど溶けてしまいましたね。
積もってしまってもイヤですがなくなってしまうと寂しいものです。

今回は「雪」繋がりで…というかこの本がなぜか夢に出てきたので。
去年の12月頃、図書館でなんとなく手にとった作品。


著者: 新堂 冬樹
タイトル: 忘れ雪








切ない恋愛小説…と思いきや、後半はサスペンス?
この本に出てくる、春に雪が降った時に願い事をすれば必ずかなうという「忘れ雪」の伝説が印象に残っています。

ある日少女は傷ついた子犬を拾い、獣医の息子である少年に助けられる。少女は少年に対し淡い恋心を抱くが、家庭の事情により少年に別れを告げる。いつか再会しようという約束をして… 8年後、偶然の再会をするがあの日の少女だとは気づいてもらえない。やっと気づき、会えると思った矢先、彼女は失踪してしまう。彼女はどこへ消えたのか?愛し合っているのにすれ違い、会えない二人の物語。

獣医が出てくるだけあって犬に関しての知識も得られます。前半はヒロインの頑張りから、彼女の思いが伝わってきてこれぞ純愛小説!な内容で、切なくもなりましたが、後半は装いが一変。前半とは違うサスペンス気味な展開で少々戸惑ってしまいました。ストーリーがつまらなくなったわけではないし、先が気になってどんどん読んでいったんですが、何か違和感のようなものを感じました。最後まで前半の感じで進めてもらえればもっとスキになったかも…

著者の新堂さんは元々ハードな話を書いていらっしゃる方みたいなんで、それを考えると後半の展開は仕方ないのかもしれないですね。でも初めて恋愛小説に挑戦したとは思えない、切なくて感動的なストーリーでした。